田園まちづくり制度の背景

■ 加古川市における田園まちづくり制度について

加古川市では、平成27年以降、人口減少が進行しており、特に志方町・平荘町・上荘町・八幡町の北部4町では、高齢化率の上昇が顕著となっています。さらに、地場産業の衰退、事業所の閉鎖、店舗の廃業・撤退、営農者の減少といった課題が重なり、地域活力の低下が進行しています。そのため、集落コミュニティの維持・再生が重要な政策課題となっています。

■ 住民主体のまちづくり

従来の町内会中心の地域運営に加え、今後は住民主体による持続可能なまちづくりが求められています。各地域では、まちづくり協議会の設立(市長認定)、方針・目標・テーマ設定、地域課題整理、住民アンケート実施、将来像の検討などを通じ、地域ごとの実情に応じた計画策定が進められています。

■ 土地利用計画の考え方

地域特性に応じて、**保全区域(自然環境・歴史資源保全)、森林区域(森林活用・レクリエーション)、農業区域(農地維持・営農環境確保)、集落区域(生活・居住拠点)、特定区域(駅前等活性化拠点)**などの区域設定が行われています。

■ 特別指定区域制度(9メニュー)

地域実情に応じた柔軟な土地利用を可能にする制度として、

  • 地縁者等住宅区域
  • 新規居住者住宅区域
  • 小規模事業所区域
  • 既存事業所拡張
  • 工場用途変更
  • 産業拠点区域
  • 地域資源活性化区域
  • 利便施設区域
  • コミュニティ区域

などが整備されています。

■ 地域ごとの進捗状況

制度導入は主に上荘町・平荘町・八幡町を中心に進んでいます。

一方、志方町(広尾東・広尾西・山中・岡地区)では、小規模集落の多さ、既存コミュニティの安定、空き家の少なさ、制度活用ニーズの低さなどを背景に、導入が十分進んでいません。

■ 実績例

これまでに、

  • 八幡町宗佐地区で㈱信陽ケミカルが進出
  • 上西条地区で㈱マルアイが設置

されるなど、地域活性化に結びつく実績も生まれています。

■ 移住・定住支援策

計画策定地域では、住宅取得補助(上限50万円)、空き家改修補助(上限100万円)など、市外転入促進策も整備されています。

■ 危険空き家対策

危険空き家対策として、除却費補助(上限50万円)制度があり、これまで危険空き家指定21件中16件が除却済みとなっており、一定の成果が見られます。

■ 今後の方向性

加古川市では、

  • 集落コミュニティ維持
  • 農業と暮らしの両立
  • 移住・定住促進
  • 地域資源活用
  • 土地利用最適化
  • 空き家対策

を総合的に進めることで、北部農村地域の持続可能性向上を目指しています。

■ まとめ

田園まちづくり制度は、人口減少・高齢化が進む北部地域において、「地域主体」「柔軟な土地利用」「移住促進」「産業活性化」を柱とした重要な地域再生政策です。

今後も、地域特性に応じた制度運用を進めながら、持続可能な田園地域づくりを着実に推進していくことが求められます。

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